今回は私がよく好きなアパレルの売上、原価、利益にフォーカスしてみたいと思います。コロナ禍でアパレル全体としてダメージを受けていると思いますが、それにもかかわらず好調なところもありましたのでシェアします。加えて、コロナ禍でも好調な理由を考えてみました。
各社紹介
今回比較する3社を紹介します。どれも私が大好きで普段から買い物してるブランドです。いずれも服を売るブランドを持つ会社ですが、それぞれのブランドで色がありますので、その色の違いも合わせて紹介します。
ユニクロ
日本だけでなく世界でも有名なファストファッションブランドと言えばユニクロ。ファーストリテイリングを代表するブランドで、高品質な衣服を低価格で提供する。最近では高価格帯のコラボラインの商品も有名。


ノースフェイス
日本人が大好きなアウトドアブランドと言えばノースフェイス。ゴールドウィンという会社の筆頭ブランド。アウトドアブランドの中でもブランドイメージが浸透していて、価格帯も高め。アウトドア小物やキャンプ用品も充実。


ユナイテッドアローズ
日本で1,2を争う有名なセレクトショップと言えばユナイテッドアローズ。ユナイテッドアローズという会社名の中で手頃なレーベルから超高価格帯を取り扱うレーベルまで幅広く揃う。個人的に一番好きなセレクトショップ。


各社の19年度の営業利益
ブランド | ユニクロ | ノースフェイス | ユナイテッドアローズ |
企業名 | ファーストリテイリング | ゴールドウィン | ユナイテッドアローズ |
売上 | 2,290,548 | 97,889 | 157,412 |
売上原価 | 1,170,987 | 45,490 | 77,429 |
販売管理費 | 854,394 | 35,003 | 71,224 |
営業利益 | 257,636 | 17,480 | 8,758 |
営業利益率 | 11.3% | 17.9% | 5.6% |
※金額は100万円単位
以下は各3社の19年度の営業利益を出すために、売上原価と販売管理費を売上あたりの割合で表したグラフです。
まずはほぼコロナ前である19年度で比較してみます。グラフから、ゴールドウィンは営業利益率17.9%で他社と比較してとても好調なことがわかります。売上原価と販売管理費が共に他社と比べて低いことが分かります。ブランド力を活かした低い原価率、広告もそんなにないのが理由かなと思いました。
ユニクロは、もっと売上原価率が高くて、利益率が低い薄利多売型のビジネスモデルかなと思っていましたが、一概にそうとも言えないと分かりました。確かにユニクロはCMもたくさん見ますし、一等地にたくさん大きな店舗があるので、販売管理費は大きくなると思いました。一方で、ユナイテッドアローズは販売管理費率が圧倒的に高いため、営業利益率が低いです。駅近の良いところに出店していたり、接客店員の人件費等だと考えられます。
各社の21年度の営業利益
ブランド | ユニクロ | ノースフェイス | ユナイテッドアローズ |
企業名 | ファーストリテイリング | ゴールドウィン | ユナイテッドアローズ |
売上 | 2,008,846 | 90,479 | 121,712 |
売上原価 | 1,033,000 | 42,470 | 66,691 |
販売管理費 | 805,821 | 33,152 | 61,634 |
営業利益 | 149,347 | 14,838 | -6,613 |
営業利益率 | 7.4% | 16.4% | -5.4% |
19年度との比較で言うと、各社とも営業利益率が下がっており、特にユナイテッドアローズでは、マイナスになっています。ユニクロとノースフェイスはどちらとも、売上原価はほとんど変わらないですが、販売管理費の比率が上がっています。販売管理費は、人件費や家賃が固定費でかかってくるためだと考えられます。
各社の21年度と19年度の比較
21年度のデータを19年度と比較してどの程度減少しているのかを確認してみました。
ブランド | ユニクロ | ノースフェイス | ユナイテッドアローズ |
企業名 | ファーストリテイリング | ゴールドウィン | ユナイテッドアローズ |
売上 | 87.7% | 92.4% | 77.3% |
売上原価 | 88.2% | 93.4% | 86.1% |
販売管理費 | 94.3% | 94.7% | 86.5% |
営業利益 | 58.0% | 84.9% | -75.5% |
営業利益率 | 66.1% | 91.8% | -97.7% |
売上はノースフェイスは1割弱減少にとどめていますが、ユニクロは1割強減、ユナイテッドアローズに至っては2割以上も売り上げが下がっています。ノースフェイスが売り上げが落ちなかった理由は3つあると思います。
①ブランド力が高く優良顧客、リピート顧客が多い。そのため顧客側から商品のことを積極的に調べてくれるので、店頭に行けなくてもオンラインストアでも十分に訴求力が高いこと。
②直営店だけでなく、卸店舗も活用できていて様々なチャネルで商品を売れること
③ノースフェイスがユニクロとユナイテッドアローズと違う大きな要因の一つが、アパレルだけでなく、キャンプ用品等も扱っていること。キャンプ用品はコロナ禍でのアクティビティとして需要があったため、それが他2社との大きな違いの可能性あり。
まとめ
売上が高い企業だから良い悪いということはなく、これまで通りこの3社からたくさん服を買いたいと思います。普段何気なく買っているお店の服についてお金の観点で調べてみて面白かったです。
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